おすすめ映画

仁義の墓場

「大笑い 三十年の 馬鹿さわぎ」

と辞世の句を残し府中刑務所に収監中
飛び降り自殺をした石川力夫の物語。

渡哲也主演という事で余りピンとこなかった映画
なのですが、監督は深作欣二。
以前ある評論家がベタぼめしていたのを思い出して
借りてみました。

この映画で渡哲也のイメージが変わりました。
私は石原裕次郎亡きあとの石原軍団のボスという
イメージしかなかったので、この映画の【狂犬】ぶりは
凄まじいものがあります、しかもヤク中の役。

本能の赴くまま気に入らなければ
すぐさまドスを振るうか拳銃を発砲、
親分も兄弟分も顔役も関係なしですメチャクチャです。

いつも庇ってくれた兄弟分を殺し
いつも支えてくれた愛人を亡くしてから
人間が変るのかなと思っていましたが、
そんな事は全くなし。

親分の前で愛人の骨を噛みながら
自分の一家を立ち上げる為の新宿の土地と
当時で2千万の金を要求します。

案の定
命を狙われますがしぶとく死なず
上記のような最後を遂げます。

なんというか救いようのない映画ですが
それが反対に新鮮?な印象を受けました。

不思議な映画です。

多岐川由美さんの悪魔的な美しさ
安藤昇さんの渋さ、見所です。
もちろん渡哲也の演技も素晴らしかったです。
非常に鬼気迫るものがありました。
キレかたが恐すぎます・・・